各形状における寸法や力の話を少しさせていただきます。
上の圧縮コイルバネの諸元は
線径 | 0.8mm |
巻き径(外径) | 14mm |
自由長 | 32mm |
巻き数(有効巻き数) | 5 |
バネ定数 | 0.035kg/mm |
となります。このバネは全部で7巻きしてありますが、最初と最後の1巻きずつはバネとしての反発力を生まないので有効巻き数5です。バネの反発力の計算はバネ定数と縮めたバネの長さの掛け算です。(10mmの場合10x0.035=0.35kg)
上の引っ張りコイルバネの諸元は
線径 | 2.5mm |
巻き径(外径) | 19mm |
自由長 | 85mm(フック内側からフック内側) |
巻き数(有効巻き数) | 20.5(両端フックの根元まで) |
バネ定数 | 0.42kg/mm |
初張力 | 0.5kg |
となります。自由長は何かを引っ掛ける時にバネが引っかかる位置の長さを指します。バネの端から端は90mm(85+線径2.5+線径2.5)になります。初張力はバネをどれだけ伸ばしても必ずかかる反発力になります。計算方法は「(バネ定数x伸ばした長さ)+初張力」となります。(5mmの場合(5 x 0.42)+0.5=2.6kg)
上記はねじりバネの諸元は
線径 | 1.2mm |
巻き径(外径) | 8.8mm |
巻き数(有効巻き数) | 15.9(バネ上側開き角度162度) |
腕1・2長さ | 各25mm |
バネ定数 | 0.028kg/度 |
となります。有効巻き数はバネが螺旋を描いている部分、腕長さは螺旋の円周上から飛び出した長さになります。バネ定数は腕長さ20mmの位置を作用点としたときのものとします。1kgの力をかけるとおよそ36度、1/10周分、腕が回ります。
製造においては上記程度の事がわかれば、だいたいの製造の目安はできます。
材質的な事や、製造的な事、動作的な事を細かく言い出しますとかなり長くなりますので、よければ「こんなバネを頼んでみたいんだけど」等のぼんやりした段階でもご相談いただけると嬉しいです。製造が難しくならない様に、単価が上がらない様にお話が出来ればお役に立てると思います。精度に関してもご相談の上で決めていければと思います。例えば巻き径が0.1mm違ってはダメとなれば単価が上がりますし、0.01mm違ってはダメとなると弊社では製作不可になります。標準的な精度、許容範囲はJIS規格で定められてます。弊社は特に指定がなければ2級(中級)以上を目安としております。要望と違うものにならない為にも、細かくやり取りさせて頂ければと思います。よろしくお願いいたします。